手塩にかけた逸品
まだまだ寒さの続く今日この頃。
秋冬のアウターを既に購入した方もまだの方も、この逸品は見逃せません。Gorschでは初めての試みであるアウターブルゾン。凝りに凝ったでデティールがあちこちに散りばめられています。
元になったデザインはヴィンテージのイタリアのスポーツブルゾン。年代は定かではないですが、素材感から推測するに30、40年ほど前のものかと。
まず目に入るのが、このリブの使い方。要所にWOOL 100%のリブを贅沢に配置しています。しかも、よく見るとリブの太さがパーツごとに異なり、今回5GGと3GG(GG/ゲージの数が少ないほど、太くなる)のリブを用いております。
端となる箇所には3GGの太めのリブを置いて、パワフルに。素材の切り返し部分には5GGのリブを用いて馴染みやすく。
この太めなリブですが、現在の洋服ではほとんど用いられない仕様で、実現するまでの、途方もない時間がかかりました。
洋服の製造の中で、リブは副資材と言われるパーツになりまして、ニットでは使用されることの多い3GGや5GGのローゲージですが、副資材であるリブのローゲージは現在では非常に稀で、普段生産されることは滅多にありません。
(昨今、ほとんど要望されることがなく、廃れていった様子)
メーカーとの何度もの交渉と、試編みを繰り返して、実現まで漕ぎ着けました。
ベースとなる生地には、乗馬やハンティング等の英国スポーツの際に身にまとうフォーマルウェアに使用されることが多いイギリスのサドルハビット生地。無骨さと上品さを併せ持ったウール素材の生地です。
イエローベースに淡いブルーの配色味良いチェック柄で、カントリー感を残しつつ、ファッションとしてもカジュアルに着こなすことの出来るこの生地を選んでいます。
裏地には、贅沢にもコットンウールフランネルの素材を使用。通常、秋冬のシャツなどに使用する生地を用いています。表地の黄色に合わせて、赤煉瓦調の色を差し込み、暖色系での調和をとっています。
シルエットは、身幅が広め着丈は短めのボックスタイプ。裾からシャツやスエットなど出してのレイヤードスタイルも抜群です。ウールが入っている裏地なので、保温性もバッチリで、真冬でも問題なし。
詰めに詰め込んだデザイナーの理想の塊で、生涯モノの逸品として間違いありません。今年の秋冬の買い納めに、いかがでしょうか?
【Gorsch】
10CO01HPCA
Saddle Habit British Wool Wide Ridge Rib Blouson
Yellow Light Blue
¥132,000
店主:加藤